勉強まとめ:世界史-ヨーロッパ史
ヨーロッパ史を参考書でざっと勉強したので簡単にまとめてみます。個人名などをなるべく出さずに流れを把握することを目標にしています。アジア史よりも複雑で、参考書のページ数も多く割かれていましたが自分なりにまとめたいと思います。
(参考文献 / [1]参考書:エリア別だから流れがつながる世界史、[2]サイト:世界史の窓)
以下、今回の目次
1. ヨーロッパ史:流れまとめ
調べれば色々な区切り方(古代、中世、近世)があると思いますが、今回は完全に主観で以下のように流れを区切りました。
まとめてみて感じたことは、ヨーロッパ史が非常に複雑で以下にまとめたのも氷山の一角でしかないということです。
- アテネとスパルタ([1]p.118-119)
B.C.8になるとギリシア人がポリスと呼ばれる都市国家を多数形成した。そのなかでもアテネとスパルタが非常に有力なポリスであった。アテネは交易で裕福になった平民が政治参加をするようになったことで民主政が生まれた都市で、哲学、美術、科学の分野で非常に目覚ましい成果を残した。一方、スパルタは軍事国家であり非常に厳しい訓練を積んでいた。プルタルコスは「スパルタ人にとって実際の戦争は、厳しい訓練に比べれば休息も同然であった」と著書に残しているほど。この2つのポリスが協力したり敵対したりというのが古代の主な歴史。 - ギリシア文化([1]p.124)
都市が形成され余暇が生まれたため、文化活動が盛んに行われた。哲学ではソクラテス、プラトン、アリストテレスという耳なじみのある学者がうまれ、ソクラテスが行いプラトンが伝えた会話形式での思考は現代でも様々なところで参考にされている(最近出会ったのだとニールポストマン)。また文学でも大きな影響を今でも残していて、ジェイムズ・ジョイスの”ユリシーズ”やシェイクスピアなどが影響を受けている。日本でも、三島由紀夫の”潮騒”はロンゴス作『ダフニスとクロエ』のプロットを土台に日本での物語として完成させている(実際読んだけど構成美が素晴しかった)。民主政が生まれたことも重要だと思うが、個人的にはこれらギリシア文化が後世に与えた影響が非常に大きく意味があるものと思っている。 - ローマ帝国とキリスト教([1]p.120-121,130-131,134-135)
先にあげたアリストテレスの教育を受けたアレクサンドロス大王が帝国を築き上げて遠征してヘレニズム文化を生んだり、共和制を行ったローマ帝国が地中海の覇者となったりした後で、民族大移動を受けてヨーロッパが西ヨーロッパ諸国とビザンツ帝国に分かれる。ちなみに、民族大移動はアジアの北魏などから影響をまわりまわって受けたことによる。この分割が文化を分けたことが現在までの様々なところで影響を残している(と思う)。特にキリスト教がローマ=カトリックとギリシア正教に分かれたことのその後の歴史への影響は大きいと思う。その後、ビザンツ帝国が滅びたりした後に、ヨーロッパでの宗教熱の高まりから十字軍遠征を行う。この十字軍遠征によってヨーロッパと東方世界の交流が活発となった結果、大航海時代がやってくる。
世界へ:大航海時代から大戦前
- 大航海時代([1]p.138-141)
前述のようにヨーロッパと東方世界の交流が増え、マルコ・ポーロ『東方見聞録』による関心の増加や香辛料の需要増加や科学技術の発展などを背景に大航海時代に突入する。この時代に世界の一体化が進んだ一方、奴隷貿易によって労働力が奪われ火器が流入したアフリカや、大農場経営によるモノカルチャー経済が行われたラテンアメリカでは現在でもこれらの負の遺産が残されている。 - 宗教改革([1]p142-145)
贖宥状や教会の腐敗への不信感から、宗教改革が生じて様々な新教が生まれた。その中でもカルヴァン派が『世俗の職業は、神から与えられた使命』として勤労に励むよう説いたことで、経済活動に注力することが良いこととされる倫理観が生まれる。マックス=ヴェーバーはこの倫理観が資本主義社会を形成したと考えている。このように、経済活動に打ち込むことが良いこととされ、かつ大航海時代によって市場が広範囲にわたったことで科学技術や経済が成長し産業革命につながっていく。 - 産業革命([1]p.154-155, [2]産業革命,農業革命)
大航海時代によってもたらされた広大な市場と労働力、資本の蓄積や農業革命([2]農業革命)による賃金労働者の発生、自然科学の発達によって産業革命がおこった。これにより、資本主義社会と世界市場が確立されると同時にイギリスが「世界の工場」となる。工業都市が発展した一方で、新たに労働問題と社会問題が生まれ、社会主義、共産主義思想が生まれる要因となる。 - フランス革命とナポレオン、ウィーン体制([1]p156-161)
民衆が起こしたフランス革命では、人権宣言によって自由や平等などが取り上げられた。その後、ナポレオンの進行とともにフランス革命の理念がヨーロッパ全土に伝わったことで自由主義やナショナリズム運動が各国で起こるきっかけとなる。ナポレオン戦争後、混沌としたヨーロッパをフランス革命前に戻す目的でウィーン会議が開催される。これにより政党制と均衡は保たれたが、保守的で抑圧されたウィーン体制からは様々な反発が生まれる。生まれた反発の中でも、自由主義を謳った7月革命と2月革命がフランスで発生し、その影響によってウィーンでも暴動が発生しウィーン体制は終わりを迎える。また、これらの革命が飛び火して各国で独立、民族運動が起り血を流しながら理想へと一歩踏み出していった。
- 第一次世界大戦([1]168-169,174-175)
様々な経済的背景からヨーロッパで対外政策として三国同盟(独墺伊)と三国協商(英仏露)が組まれたことと、ロシアの南下政策によって東方問題が生じたことによりヨーロッパの緊張が高まっていた。このような背景の中でサラエボ事件事件が生じ各国を巻き込む第一次世界大戦が勃発した。同大戦によってヨーロッパは疲弊し、超大国のアメリカ合衆国と社会主義のソ連が誕生し、植民地諸国で民族運動が活発化することとなった。WW1がこれほどにまで大きくなった原因として、個人的には科学技術が発展してそれが負の方向に使われたことが要因の一つだと思っている(行動範囲が広がったり)。 - 第二次世界大戦([1]p182-185)
第一次世界大戦を経て、国際秩序を重視するようになったのと同時に疲弊した経済や生活を打開するために社会民主主義がうまれた。しかし、WW1後に経済の中心を担っていたアメリカのニューヨークから世界恐慌が起きると資本主義の限界が感じられたことより共産主義、反共産主義的な考え方が生まれ、全体主義的(ファシズム)な政治体制が執り行われる。このような中でヒトラー率いるナチスがポーランドを侵攻したことで第二次世界大戦が勃発した。WW2はこれまでの国際戦争とは比べ物にならないほどの戦死者を出した(ナポレオン戦争≒250万、クリミア戦争≒30万、WW1≒900万、WW2≒5500万人)。大戦後は共にファシズムに対抗したアメリカとソ連が、資本主義と社会主義を背景に対立を鮮明にし冷戦の時代へと突入する。
- 冷戦後の動き
2度の世界大戦を経てヨーロッパは疲弊し、アメリカ(w/日本)やロシアが国際社会の主導権を握るようになった。このような背景の中、ヨーロッパ内での争いをやめて協力をする動きがおこり、最終的にはヨーロッパ連合(EU)やNATOが生まれる。 - 2000年代に入っての動き
EUが東欧にも拡大してロシアとの間で対立を起こしたり、EU内格差やギリシアの債務問題などからEUに対して懐疑的になる国が出始めた。そしてイギリスはEU脱退を決めた。また、アメリカに対してEUが報復関税を発生させたりと徐々に緊張感が生まれているように感じる。
2. ヨーロッパ史:感想
- 歴史が進むと経済(お金)的な理由で戦争していた
宗教や民族的な違いから戦争を起こす時代もあったが、徐々にお金が戦争を起こしているように感じた(端的に言えば)。第二次世界大戦も冷戦も結局はどうやって富(お金)を生み出し、どのように使っていくかの考え方が異なる全体主義、社会主義、資本主義同士の主義の対立ともとれるなぁと思った。そう部分からも今後の世界の動向を推測できるなぁと思った。 - ヨーロッパが発展したのは地理的な要因があると感じた
地中海に面している海岸が非常に長く貿易などのやり取りが活発に行えたこと、山脈からの雪解け水で安定した水源があり農作物が育ちやすかったことが要因の1つではないかなぁと思った(調べればわかるだろうけどまだやってない)。
3. ヨーロッパ史:今後深堀したいところ
- 列強諸国となり植民地支配を進めた部分
今回のまとめでは、とりあえずヨーロッパ史を中心に据えていたから列強諸国の植民地化政策が世界に及ぼした影響などについて深堀できなかったので今後勉強したい。 - ギリシア文化やローマ文化で文化が花開いた理由
B.C.3の古代ギリシアでエラトステネスが井戸を使って地球の大きさを大体当てていた(全周3万9700kmと予想)というのに驚いた。ローマの水路とかも興味深いしキリスト教が大きく流行る前の文化に興味がある。
あとがき
正直、ヨーロッパ史まとめるのにめちゃくちゃ時間かかったしうまくまとめられてる自身もこれっぽっちもない...難しすぎる。でも、ざっくりと、上辺だけでも流れを把握できたからある程度満足はしている。
次はイスラム圏の歴史をまとめる。7月中に。